2023年2月号 卒後医師臨床研修施設
2023/02/10
平成23年より当院は卒後医師臨床研修施設として年に数回の研修医の先生が研修されます。平成20年に開業し、最初はそのような臨床研修制度があることを知りませんでしたが、神戸大学医学部附属病院の研修医の先生を中心に研修を行なっております。これは神戸市医師会に貢献しようとか、研修医の指導に尽力するということだけではなく、研修医とはいえ、医師のライセンスを持っている若者から見て、小林整形外科クリニックの医療がきちんとした水準にあるのかを私自身が再確認するためでもあります。
指導医にあたる私は研修に来られた先生方を評価するのですが、また同時に研修施設すなわち私の医師としての技量、態度も評価されます。普段大病院で勤務している研修医は多くの先輩医師や他の臨床研修施設の先生方から指導をうけ、診療を見学しています。患者さんとはまた違ったプロの視点で私たちを評価しています。
今年度の研修医の先生方は以下のような文書で当院を評価してくれました。「先生の患者さん目線の姿勢、説明方法が大変素晴らしかったです。ありがとうございました。」「足と靴の専門外来の見学が興味深かったです。」「靴やインソールなど整形外科ならではの経験が得られました。新たな発見ばかりで興味深かったです。」他院では珍しい足と靴と外来はもちろん、通常の私の診療も高く評価してくれました。整形外科の専門知識や技術だけではなく、将来どんな診療科に進むとしても必要な医師としての姿勢を学んでくれたのであれば、非常に嬉しく思います。
昨年からは臨床研修部の理事として研修医が臨床研修施設の研修中に書き上げた論文発表に対して総括する仕事が増えました。論文を読んで添削やアドバイスをするのですが、自分の専門分野でないことが多く、大変かなと予想していましたが、現在のところそんなに負担なく務めています。また研修医の論文からこちらが学ばせてもらうこともあります。
医師になって30年近く経ち、開業して15年目ともなると他人の診察を見学する機会も減るため、自分の行なっている知識や技術もすすんでアップデートしていかないと時代遅れになってしまうでしょう。研修医の先生方が当院で研修し、いろいろなお話しをすることができるのは、学会や講演会で学ぶこととはまた違った意味で自分自身のためになっています。
研修医の先生方を指導する立場になり、幸い臨床研修施設として高い評価を得ているようですが、謙虚に今後も日々の診療に邁進していきたいと考えています。